29億回鼓動する孤独

 

ドキ ドキ ドキ……

人間の心臓は、1日に約10万回鼓動しているという。

1分間に平均70回鼓動しているとすると、
1時間 70回×60分=4,200回
1日  4,200回×24時間=100,800回

それでは、一生では何回鼓動しているのか?
寿命は人それぞれですが、もし80歳まで生きるとすると、
約29億回以上、ドキドキドキドキ…するそうです。

母親の胎内から、この世に、おぎゃーっ!と生まれた時から、
休まず、止まらず、ずーっと動き続けているだなんて。
なんて働きモノさんなのでしょうか。

話しはズレますが、
「29億回」と耳にすると、ケタは全く違いますが、
私は子どもの頃、学校の教科書に載っていた、
詩人・谷川俊太郎さんの「二十億光年の孤独」の詩を思い出します。

今、改めて読むとなんだか、
人間のハート(心臓)とココロ、身体という宇宙。
などに置き換えて見てしまう…。
私の頭の中は漫画脳ですから(笑)

……..話を戻しまして。

自身が心臓の手術を受けた時、
その29億回の鼓動の内の、ほんの一部の時間、止まりました。
その間、自分の冷たくなった心臓は身体の真ん中で、
何をしていたのだろうか。何を見ていたのだろうか。
何を思っていたのだろうか。
打てなかった鼓動はどこにいったのだろうか。

人体の不思議や、医学の進歩に畏怖の念を抱く。

そして再び谷川俊太郎さんの詩をピックアップしますが。
今この記事を書くにあたり、先ほどの詩を読んだ後に、
久しぶりにかの有名な「生きる」という詩を目にしました。

生きるというコト、自分の周りにあるコトやモノ全てが、
無条件に愛しく感じる。

今、そう、感じるコト。

それは、心臓病と出会ったコト、
その時から、あの時から、
私のココロの中に生まれたモノ。

消えた鼓動が、生んだモノのような気がする。

 

 

 

 

 

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